暗譜のコツ|効率的に覚えるための7つのポイント

2025.09.23

暗譜のコツ|効率的に覚えるための7つのポイント

音楽を演奏する上で避けて通れない「暗譜(あんぷ)」。しかし、「なかなか覚えられない」「本番で飛んでしまう」など、暗譜に苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか?

実は、暗譜にも“コツ”があります。ただ回数を重ねて弾くだけではなく、効率的な覚え方を取り入れることで、より早く・正確に・自信を持って演奏できるようになります。

今回は、初心者から上級者まで使える「暗譜のコツ」を7つにまとめてご紹介します。


1. 暗譜の種類を理解する

まず、暗譜にはいくつかの種類があります。それぞれ意識しておくことで、バランスの取れた暗譜が可能になります。

  • 視覚的暗譜:楽譜を視覚的に記憶する方法。楽譜のページや音符の並びを思い浮かべて覚えます。

  • 聴覚的暗譜:メロディや和音を耳で覚える方法。曲を頭の中で再生できるようになることが目標です。

  • 運動的暗譜(筋肉記憶):手や指の動きを身体で覚える方法。繰り返し弾くことで自然と指が動くようになります。

  • 分析的暗譜:曲の構造や和声進行、調性などを理論的に理解する方法。

これらの暗譜を組み合わせて使うことで、本番に強い「総合的な記憶」ができます。


2. 小さな単位で区切って覚える

最初から一曲全体を覚えようとするのは非効率です。まずは 数小節単位で区切って、細かく覚えていきましょう。

例えば、4小節ずつ覚えたら、それを繋げて8小節、16小節と徐々に広げていくと、無理なく記憶が定着します。

区切るときは、フレーズの区切れ目や和声の変化を意識すると覚えやすくなります。


3. 弾かずに暗譜する時間を作る

意外かもしれませんが、ピアノを弾かずに覚える時間も非常に重要です。

楽譜を見ながら、

  • 頭の中で音を鳴らす

  • 指の動きをイメージする

  • 曲の構造を分析する

といった「イメージ練習」を行うことで、視覚的・聴覚的・分析的な暗譜力が高まります。これにより、単なる「指の記憶」に頼らない、安定した暗譜が可能になります。


4. 頻繁に「思い出す」練習をする

暗譜は「覚える」ことよりも「思い出す」練習が大切です。

  • 楽譜を閉じて、思い出せるか試す

  • 最後から逆に辿ってみる

  • ランダムな場所から弾き始めてみる

こうした練習で、本番で途中からでも対応できる「柔軟な記憶」を身につけましょう。


5. 和声と構造を理解する

音楽理論がわかると、暗譜は飛躍的に楽になります。

  • この部分はトニック→サブドミナント→ドミナントの進行

  • このフレーズは同じ形で転調して繰り返されている

といった構造を理解しておくと、記憶の「道しるべ」になり、思い出す手がかりになります。

楽典が苦手でも、基本的なコード進行やカデンツだけでも把握しておくと効果的です。


6. 本番を想定した練習をする

「暗譜で弾けるようになったのに、本番で飛んでしまった…」という経験、ありませんか?

本番でのミスは、緊張によって思い出せなくなるのが原因です。そこで、

  • 楽譜なしで誰かの前で弾く

  • 動画を撮ってみる

  • 違う場所・違う時間帯に弾く

など、普段と違うシチュエーションで「本番をシミュレーション」する練習がとても効果的です。


7. 休憩と睡眠を活かす

人間の脳は、寝ている間に記憶を定着させると言われています。

暗譜したあとは、一晩寝かせる。次の日にもう一度確認する。こうしたサイクルを大切にしましょう。詰め込みすぎると逆に効率が落ちるので、こまめな休憩も忘れずに。


まとめ|暗譜は才能ではなく「技術」

暗譜が得意な人を見ると「記憶力がすごいな」「自分には無理だ」と感じてしまうかもしれませんが、実は暗譜も訓練と工夫次第で誰でも上達できる技術です。

今回ご紹介した7つのコツをうまく取り入れながら、地道に練習していけば、自然と暗譜の力はついてきます。

演奏をもっと自由に、もっと表現豊かにするためにも、ぜひ「暗譜の技術」を磨いていきましょう!

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